お買い物に出掛けた望美先輩と譲くんの帰りを待ちながらゲームをしている将臣先輩の背に、ぽつりと呟く。
「先輩」
「んー」
「何か甘いものありませんか?」
「はぁ?」
突然の台詞に驚いたのか、ゲーム画面をストップさせて先輩が振り向いた。
「突然どーした?」
「急に食べたくなる事ってありませんか?」
「あーまぁあるっちゃあるけど…ラーメンとかな」
「…えと、まぁ、そんなものですけど」
なんだかちょっと違うけれど、今は横に置いてしまおう。
「なんでもいいんですけど…」
「って、も糖分が切れると暴れだすとかじゃねぇだろうな?」
「暴れるまでは…」
「…いるんだ。空腹になると凶暴になるヤツとか、な…」
「あ、あぁ…」
お互い誰を思い出したのかは口にしないが、恐らく脳裏に浮かんでいるのは今買物に出掛けているとある先輩の姿だろう。
「ちょっと待ってろ。どーせ譲のヤツが買ったのが、どっかにあるだろ」
「すいません…」
先輩が席を外している間に、バッグの中を探ってみるが、やはり今日に限って飴のひとつも入っていない。
「疲れてる、のかな」
「あ〜ワリィ」
ポツリと呟くと同時に、頭上から将臣先輩の声が降ってきた。
「こんなもんしか見つからねぇや」
その声に誘われるよう振り向くと同時に、口の中に入れられた甘いもの。
「え…これ…」
「茶請けの黒糖、の塊…」
「…」
「…を砕いたヤツ」
ぺろりと指を舐めた先輩の姿を見て、思わずカッと頬を染める。
今、あたしの唇に触れたのは……
自然と口元を押さえて、先輩を見つめるあたしの視線の意味に気づいたのか、にやりと口元を緩めた先輩が、楽しそうに顔を近づけて囁いた。
「まだ食いたいなら言えよ」
――― また、食わせてやるからさ…
2008web拍手、名前変換入れて手を加えて再録。
お砂糖シリーズでUPしていたものです。
一部にて大人気の将臣くんです。
そして私の中で、ぐんぐん地位を伸ばしていく将臣くんです(笑)
…いやいや、将臣くんは良すぎですよ、うん。
三木眞の土方さんも卑怯だと思いますが、将臣くんも卑怯だと思います。
あのキャラにあの声はっっ!!!←褒めてます、勿論
いっぱいお砂糖食べさせて貰ってください(笑)